活動案内

プロデュース・ハレの活動実績  2014年まで 

平成21年

  • ホームページ制作・公開
  • 民俗芸能フォーラムパネラー出席
  • 郷土文化・芸能関係者へのアンケート調査の実施
  • 第一回 子ども郷土芸能開催
  • 高等学校総合文化祭郷土芸能部門、舞台サポート
  • 国際交流イベント アトラクションブッキング/河崎花がさ踊り.カラス天狗伝説他 中山間地域の伝統行事再発見事業実施

平成22年

  • 郷土文化・芸能関係者へのアンケート調査の実施
  • とつとり花回廊 郷土芸能公演
  • 第二回 「こども郷土芸能発表会」よどえ夢まつり

平成23年

  • 青少年地域郷土芸能 披露会 イオン日吉津
  • 第三回「こども郷土芸能発表会」

平成24年

  • 8月 第3回とっとり伝統芸能まつり 実施  アフターイベントとして韓国・沖縄・県内出演団体・地県内団体を一同し、皆生に集合して裏芸能の披露も入れた懇親会を開催。
  • 9月 青少年地域郷土芸能 披露会 イオン日吉津

平成25年

  • 1月 青少年地域郷土芸能 披露会 イオンモール日吉津
  • 4月より 鳥取県伝統芸能調査業務実施開始/調査事務所開設
  • 5月 第4回とっとり伝統芸能まつり 実施
  • 6月より 鳥取県伝統芸能発信業務実施/鳥取伝統芸能アーカイブス策定開始

平成26年

  • 1月 青少年地域郷土芸能 披露会 イオンモール日吉津
  • 3月 鳥取県伝統芸能調査業務完了/鳥取県に情報データ提供
  • 4月 鳥取県伝統芸能発信業務実施完了/発信開始/鳥取伝統芸能アーカイブス文化遺産を活かした地域活性化事業「記録作成・調査研究事業」開始
  • 6月 第5回とっとり伝統芸能まつり 実施
子ども民俗芸能発表会を開催しました  2011年10月23日(日)米子市淀江文化センター(さなめホール) 

出演団体

  • 河崎花笠踊り保存会
  • 和田荒神こども太鼓保存会
  • 大山西小学校カラス天狗伝説
  • 鬼面太鼓保存会ジュニア
  • 米子白鳳高校郷土芸能部
子ども民俗芸能発表会を開催しました  2010年10月24日(日)米子市淀江文化センター(さなめホール) 

出演団体

  • 淀江さんこ節/宇田川青少年育成会郷土芸能部
  • 荒神神楽太鼓/和田荒神こども太鼓
  • やんちゃよさこい/A.G.T
  • 米子田植え唄踊り他/米子市子ども会連合会 読谷交流リーダー研修生
民俗芸能フォーラムに参加しました  2008年9月19日(土)倉吉未来中心セミナールーム3 

出席者
事例報告者兼パネリスト―3名

  • 淀江さんこ節保存会事務局/奥田晃巳さん
  • 越路雨乞踊り保存会会長/渡辺勘治郎さん
  • 関金御幸行列保存会代表/鳥飼昭利さん

パネリスト―2名

  • 鳥取県文化財保護審議会委員/靍理恵子さん
  • NPO法人プロデュース・ハレ代表/小林 功さん

一般参加者―30名
鳥取県教育委員会事務局文化財課―3名

内 容

主催者挨拶(植田文化財課長)

・本フォーラムは、事例報告や意見交換を行う中で、民俗芸能を保存伝承していくためのよりよい方策を、各保存団体が共に模索し、問題解決の手がかりを探ることを目的としている。
・各団体によっておかれている状況は異なるが、今回のフォーラムで少しでも参考になることがあれば幸い。

第1部 助成制度を活用した保存伝承活動の事例報告

事例報告① 淀江さんこ節保存会事務局  奥田 晃巳さん
・助成事業を行なう上で苦労したのは立替払いをする800万、500万という金額を工面することだったが、団体の活動実績をみて銀行が貸してくれた。利子を考えても事業をする価値がある。
・補助・助成制度を利用するには書類などが面倒くさいが、一度するとそのまま使えるので、一度やってみるとよい。
・今回の事業を行なったのは、①さんこ節をするのに必要な衣装や楽器を購入し、小中学生など若年層の費用負担を軽くすること②、How To DVDを作成し、不足している指導者を補い、さんこ節を習いたい人の要望にこたえること、③幕などを整備し、皆生の小さなお座敷から大きなホールまであらゆる舞台への対応ができるようにすることを目指した。
・事業の結果、多くの人数が踊れるようになり、観光客などやってみたい人に体験してもらうこともできるようになった。これにより、皆生温泉ひいては地域全体を好きになってもらうことにつなげられる。
・事業を行なう際、自分たちの団体が何がしたいか、何が欲しいか明確にするのが大事。それを行政などに相談すれば、しかるべき手段を検討してくれる。
=補助・助成事業を行なう上でのよいアドバイスとなる事例。  民俗芸能の保存だけでなく、そこから地域の魅力発信につなげるなど、非常に高い意識がうかがわれる。

事例報告② 越路雨乞踊り保存会会長   渡辺勘治郎さん
・越路雨乞踊は、踊りとして面白いものではないが、800年も大事にしてきたものであり、これからも代々伝えていきたい。
・昨年15年ぶりの再現奉納を実現させた。子踊りなど、人数が集落内でそろわない部分は、校区内のほかの集落から来てもらった。
・この事業により、越路地区のみならず、校区全体に伝統文化の大事さを認識する動きが広まり、今年米里地区で伝統芸能の発表会を行なうこととなった。
=集落内だけでなく、校区全体で担い手の足りない部分を補っていくのは、後継者 問題の一つの解決策として注目される(本来伝承されてきたあり方とは変わって しまうが)。また、芸能や行事が地域の結束力を高める好例

事例報告③ 関金御幸行列保存会代表  鳥飼 昭利さん
・民俗芸能フォーラム資料集p6~7参照
・800万の経費をかけて、3神社の行列の用具を修理・新調した。それまで田舎っぽい衣装だったのが、キラキラした衣装に変わり、祭礼自体の盛況につながった。また、国や県がみてくれたということで、若い衆のやる気が出てきた。
・事業を機に道具や行事について調べ、分からないことも多かったが、「古いものは簡単に変えてはいけない」という認識ができた。
=昔からの伝統は簡単には変えられないが、一方で変えなくては続けられない部分 もあり、生きた行事の難しさがうかがわれる。

第2部 パネルディスカッション
「民俗芸能を保存伝承していくために~助成制度の活用と効果~」

第1部の事例報告者3人に、鳥取県文化財保護審議会委員の靍理恵子さん、NPO法人プロデュース・ハレ代表の小林功さんを加えた5人をパネリストに迎え、原島のコーディネートのもと、ディスカッションを行なった。

(原島)靍さん、小林さんを簡単に紹介。まず小林さんに、自己紹介を兼ねて先の事例発表に対する感想をお願いする。
(小林)NPO法人プロデュース・ハレの説明。芸能を演じる方ではなく、手伝いをする裏方中心の団体。非日常的なハレをよくすることによって日常のケを充実させ、幅広い年代のサポートを行ないたいと思っている。実際の活動は、舞台の開催(子ども民俗芸能大会)・郷土芸能がない地域に提案していくこと・郷土芸能の情報発信・アーカイブの作成をしたいと思っている。郷土芸能はマニアに受けるものだと思う。事例発表を聞いた感想は、何がしたいかを具体化することで、補助・助成制度を有効に活用できると思われる。
(原島)このような活動を裏で支えるような団体はこれまでなかった。せっかくなので、こうした団体についてどのように思うか、意見をいただきたい。
(淀江さんこ節保存会 奥田)自身もこの団体のメンバー。補助・助成制度の申請書書きのノウハウを教えてくれたり、行政と保存団体との橋渡しができるとよいと思う。
(越路雨乞踊り保存会 渡辺)補助・助成制度を活用して事業をしていくためには、団体のなかに企画・運営ができる人がいないとできない。そうしたアドバイスをしてもらえるとありがたい。
(関金御幸行列保存会 山谷さん)今日報告のあった関金御幸行列は、9月21日の祭礼で行なう。3つの集落でこの行列を維持しており、どうしても守っていきたいと考えている。他の報告の芸能は、いつ上演されるものなのか教えて欲しい。
(奥田)さんこ節は座敷芸なので、敬老会や公民館祭をはじめ、年間40回くらい上演を行なっている。また地域の伝統芸能を行なっている人は地域の宝だと思う。
(渡辺)越路雨乞踊りは毎年踊るものではない。またさんこ節のように、お客さんにみてもらうものでもない。昨年15年ぶりの奉納を実現させたが、普段の年は小学生に教え、その成果を収穫祭で披露している。また、学校で教えるときにこの踊りの意味を一緒に伝えるようにしている。
(原島)続いて、文化財保護審議会委員の靍さんに、自己紹介を兼ねて先の事例発表に対する感想をお願いする。
(靍)日本民俗学を専攻し、県の文化財保護審議会委員となっている。その立場から6点気がついた点を述べる。
1点目に、こうした事業を行なう際に、なるべくこれまでやってこられたことを変えないで欲しい。無要な改変を加えないこと、税金を投じるのだから不要なものをつくらないこと、また、事業を行事の意味を考えるきっかけとして欲しいと思う。
2点目に、こうした制度をつくっている国や県に、今ある制度に対してどう思うか、使った立場から提言して欲しい。そうすればもっと制度がよくなると思う。
3点目は、行事を行なう人が大事なので、担い手を確保していく必要があること。
4点目は、行事を続けていくことの意味を考える必要があること。行なう人たちがやっていてよかったと思えないと続かないと思う。祭りをすることは地域の誇りであり、それが核となっていくと思う。
5点目は、文化の真正性を考えること。例えば、淀江の日吉神社の子ども奴は、ヨイトマカセ360年の歴史の初めからあったわけではなく、平成から始まったもの。子どもへの伝承を考えて始め、成果を挙げている。何かを取り入れる際、地元で十分話し合っていくことが大事。
6点目は、これまでとは異なる場所での上演について。どこで行なうのか、どこで発表するのかは、特に神事などで重要な問題。地元で十分納得して進める必要があるが、答えは決して一つではない。
(原島)貴重な提言へのお礼。指摘のなかから、今回のフォーラムのテーマ及び皆さんの関心に即して、2点目の既存の制度への意見、3点目の担い手問題について、それぞれ意見をいただきたい。
(奥田)現行の制度(ふるさと文化再興事業)では、精算払いとなっており、手持ち金がなければ事業を実施できない。請求書払いを認めるか、分割払いができるようにして欲しい。また、国外公演に対する助成はあるが、国内の交流公演に対する助成事業がない。沖縄との交流を考えているので、それに対する助成があるとありがたい。 後継者とは指導者のことだと考えている。100人の子どもを指導しても、1人残るかどうかというくらいだと考えている。
(渡辺)現行の制度(県補助事業)では、事業費の1/2が上限で、負担が大きい。もう少し補助率をあげて欲しい。 担い手については、小学校6年生全員、集落の自警団(25歳以上)全員に教えることとしている。発表会をすると、みんな参加してくれるようになった。長年続ける継続性が大事。
(鳥飼)制度については、今のところ特になし。担い手については、行列に子どもも参加しているので、このままやっていけばつながると思う。津和野の鷺舞でも子どもの鷺舞が好評だという。子どもを加えるのが芸能の維持につながると思う。
(原島)フロアから意見があればお願いしたい。
(江波三番叟保存会 徳永さん)芸能の伝承における子どもたちの指導は、どんな子どもたちを育てていきたいかということにつながると思う。子どもたちの健全育成をはかるために、技術だけでなく礼儀作法なども教えるのがよいのではないか。また、子どもたちにとっては、年配者より年齢差が少ない若い衆などの世代が教えるほうが習いやすいのではないか。
(奥田)素晴らしい芸能をみると、子どもたちの行儀は自然とよくなる。場や環境を整えると子どもたちは変わると思う。芸能で型を教えるが、それに血を通わせるの環境や保護者。自分たちの演技の裏側の説明を受け、舞台の体験を通じて理解していく。
(渡辺)教え始めたときには、子どもたちは誰も言うことをきかない。そこであるときは厳しく叱ったり、感謝を教えたりするとやり始めるので、育成に役立っていると思う。
(鳥飼)これまであまり考えてなかったことなので、役員会に持ち帰って話し合ってみたい。ただ、親子代々続けているので、意識も高く、厳しく指導をしている。
(日野源流太鼓保存会 大柄さん)伝統芸能は消滅する場合もある。町内のことでも知らないこともあるので、日南町では、各団体が集まって「日南伝承の会」を立ち上げた。伝統芸能には青少年育成や見た目の面白さなど、いろいろな側面がある。伝えていくことが大事だが、いかにモチベーションを保っていくかが難しい。
(以西踊り保存会 井上さん)今度日本のまつりに出演することになったが、今までのことを変えないように気をつけながら、子どもたちに習わせている。ただ、村ごとにステップが異なるので、統一した形で伝承していくのが難しい。また、踊りが地味で楽しくないのを伝えるのが大変。発表の場がないと、伝承が難しいと思う。
(下味野麒麟獅子舞保存会 加賀田さん)今度中国・四国ブロック民俗芸能大会に出演する。実際の奉納では必ず獅子舞を清めてから始める。舞台でも同様の演出を考えている。こうしたことに対して先に舞台について述べられた靍先生はどう思われるか。
(靍)先に述べたとおり、本来と異なる場所での上演は、地元で十分納得して進める必要がある。地元でそうした演出を考えられたのならよいと思うし、アナウンスなどでその説明を加えれば、観客にも意図がわかってよいと思う。
(原島)意見は尽きないが、最後に小林さんに、いわゆる文化財保護とは別の観点から、助成制度についての意見を伺いたい。
(小林)助成金に頼らないシステム作りが必要になってくるのではないか。文化財保護とはそぐわないかもしれないが、民俗芸能の商品化という流れもありえると思う。
(原島)長時間にわたって様々な意見を伺うことができた。各団体が抱えている問題に対する直接の解決策とはならないかもしれないが、今後の参考となれば幸い。今後もこうした情報交換の場を毎年開催したいと思う。